WIPが好きな理由

仕事終わりの静かな時間

長くて暑い一日の仕事が終わると、私が一番楽しみにしているのは趣味のテーブルに座ることです。工具やガジェットに囲まれて、落ち着いてゆっくりできる場所です。

夜はたいてい、テレビで『ウォーキング・デッド』や『フレンズ』を流します。セリフをほとんど覚えてしまうくらい何度も観ているので、作業のBGMにはちょうどいいのです。たとえヤスリがけを数分したり、部品を二つ三つ接着するだけでも十分。完成を急ぐことより、この静かな時間を楽しむことが大切なのです。

ゆっくりとしたペース

教育の仕事では、常に責任や準備、そして人との関わりがあります。やりがいはありますが、とてもエネルギーを消耗します。ですが、趣味のテーブルに向かうと、そのペースはまったく違います。

スケールモデルの8×8装輪装甲車車体のWIP。カッティングマット上に工具とヤスリ、接着剤。
WIP:8×8装輪装甲車の車体を組み立て。ゲート処理・合わせ目処理・仮組みを進行中。

部品をランナーから切り離したり、ヤスリがけをしたり、仮組みをしたり――一つひとつの作業は時間がかかりますが、それこそが心を落ち着けてくれるのです。

プレッシャーのない製作

仕事とは違い、ここでは成果を求められることも期限に追われることもありません。部品を整理したり、少しだけ塗装の準備をしたり、ただ次の工程を考えるだけの夜でも、それはそれで十分価値があります。

プラモデル製作は「完成」よりも「過程」を楽しむ趣味だと感じます。

WIP(途中経過)こそが一番の楽しみ

多くのモデラーは完成品をたくさん並べていますが、私はその逆です。戦車や飛行機、いろいろなキットが途中のまま棚に並んでいます。でも、それでいいんです。

趣味テーブル上のT-34スケールモデルのWIP。車輪と車体をサンディングし、サーフェイサーが見える状態。
WIP:T-34の表面処理。車輪と車体をサンディングして下地塗装の準備中。

私はWIP段階にこそ一番の楽しみを見出しています。ヤスリがけ、接着、塗装の試し、微調整――そのすべてが面白い。むしろ、一番悲しいのは完成してしまう瞬間です。完成したらもう「作る楽しみ」が終わってしまうから。

だから私は「一つを終わらせてから次へ」なんて考えません。むしろ逆で、次々と作業を始めてWIPを楽しむタイプです。

ストレス解消としての模型趣味

切る、削る、接着、塗装――その繰り返しは、心を落ち着けるリズムになります。塗料や接着剤の匂いさえ、「自分の時間が始まった」という合図のように感じます。

小さなコックピットの部品をつけたり、戦車の履帯を整えたりする時、外の世界のことは頭から消えます。それはまるで瞑想のようで、心をリセットしてくれるのです。

完成以上のご褒美

もちろん完成した模型を見るのは嬉しいですが、私にとって本当のご褒美は趣味のテーブルで過ごす時間そのものです。『ウォーキング・デッド』や『フレンズ』の声をBGMに、工具に囲まれて少しずつ進めるその時間が、最高の癒しなのです。

たとえ部品を二つ接着しただけでも、その夜は満足感でいっぱいになります。

最後に

プラモデル製作は単なる趣味ではありません。私にとっては、一日の疲れを癒し、静かな時間を楽しむための最高のリラックス方法です。完成よりも大切なのは、WIPの過程で得られる創造性と落ち着き。

結局のところ、私をこの趣味に引き戻すのは完成品ではなく、無数のWIPで過ごす時間なのです。

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